💡この記事から学べる事💡
・ヘッド車選びの基本的なポイント
・実際の体験に基づくアドバイス
・商用車の耐久性の利点
・車のメンテナンスと適切な選択の重要性
・柔軟な考え方の大切さ
キャンピングトレーラーを牽引する車、いわゆる「ヘッド車」の選び方について、我が家の経験を交えて詳しくお話しします。ラダーフレームが理想というのは、キャンピングトレーラー界隈ではすでに常識のようなものですが、そこから一歩踏み込んで、実際に使用して感じたことや注意点をシェアしたいと思います。
補足:車に詳しい私の裏話
実は私(妻)、以前は自動車試験機を製造するメーカーで働いていました。そのため、車の耐久性や構造について、一般的な女性より少しだけ詳しいんです(笑)。だからこそ、車選びの際には、目に見えない耐久試験の背景まで考慮して選ぶようにしています。
スタートはギャランから:軽いトレーラーとDCTで始めた牽引生活
キャンピングトレーラー生活を始めたとき、我が家のヘッド車は「ギャラン」でした。欧州で販売されているモデル(欧州ではLancer Sportbackとして販売)でもあり、フレームが比較的しっかりしていることが選択の決め手でした。また、軽いトレーラーを選んだこともあり、十分に牽引可能でした。
1.5トンヒッチはグローバルタイトさんでワンオフで付けてもらいました。
我が家のギャランは、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)というタイプのミッションを採用しています。DCTはスムーズな変速が可能で、スポーツカーに多い構造ですが、牽引時にも安定した性能を発揮してくれました。
※DCT(デュアルクラッチトランスミッション)とは?
DCTは「デュアルクラッチトランスミッション」の略で、2つのクラッチを持つ自動車のトランスミッションです。これにより、MT車のようなスムーズでダイレクトな走行感と、AT車の便利さを兼ね備えています。ギャランのDCTの製造元については三菱自動車とドイツのトランスミッションメーカーであるGetragの共同開発製品です。Getragは世界的に有名なトランスミッションメーカーで、多くの自動車メーカーと提携しています。
一方で、CVT(無段変速機)は避けた方が良いという意見をよく耳にします。これは、CVTの構造上、牽引のように大きな負荷がかかる状況に弱いからです。具体的には、金属製のベルトやプーリーが高負荷で摩耗しやすく、耐久性に難があります。そのため、特にキャンピングトレーラーの牽引を考えている場合は、CVTを避けるのが賢明です。
ハイエースで安定した牽引を実現
もともと我が家の車はギャランと軽自動車の2台体制でしたが、色々と紆余曲折があり(笑)、最終的にはハイエースを購入することに。実は最初、ハイエースでキャンピングトレーラーを牽引する予定は全くありませんでした。私はギャランとトレーラーの組み合わせが気に入っていたので、そのスタイルを維持したかったのですが、子どもたちが成長し、荷物が増え、さらにはSUPやスノボを始めたこともあり、結果的にハイエースにヒッチメンバーを装着することになりました。
ちなみにハイエースのヒッチメンバーですがスタビライザー装着車用のヒッチメンバー出ました!!
以下はTRDエアロバンパー用です。(いずれTRDエアロバンパーつけるらしいです)
標準の方はこちら。
当初、ハイエースはバイクの運搬用として導入したもので、トレーラー牽引は想定外の用途でしたが、今では立派なヘッド車の一員です。ハイエースはセミラダーフレームを採用しており、牽引に必要な耐久性をしっかりと備えています。さらに、ATミッション仕様のため、牽引時の操作がしやすく、信頼性も抜群。DCTほどのスムーズさはないものの、日常使いからトレーラー牽引まで、頼れる相棒として活躍しています。
ここで一つ知っておきたいのが、耐久試験の基準についてです。
ハイエースのような商用車は、一般的な乗用車よりも厳しい耐久試験をクリアしています。商用車の試験は、長時間の稼働や高負荷な運転を前提としており、牽引や積載を想定した設計になっています。一方、乗用車(例えばアルファード、ヴェルファイア)は、快適性や乗り心地を重視しているため、同じ負荷条件下では商用車ほどの耐久性を期待できません。
選び方のポイント:我が家のアドバイス
※私たち夫婦は車に詳しいほうですが、具体的な選定やご相談は、専門知識を持つトレーラー代理店のスタッフに直接相談されることを強くお勧めします。
車のフレーム構造を確認する
ラダーフレームやセミラダーフレームを採用している車は、牽引時の負荷に強い傾向があります。軽量なモノコックフレームの車でも牽引は可能ですが、トレーラーが重い場合は注意が必要です。
トランスミッションの種類
- おすすめ:ATまたはDCT
ATは耐久性が高く、牽引時の安心感があります。DCTも性能面では優れていますが、構造が複雑で高価なため、メンテナンス費用を考慮する必要があります。
- 避けたい:CVT
前述の通り、CVTは牽引向きではありません。特に、重量のあるトレーラーを長期間牽引すると早期故障のリスクが高まります。CVTで牽引するならオイルが命なので頻度多く交換する必要があります。
耐久性の試験基準を知る
商用車の設計は、牽引や積載を日常的に行うことを想定しています。長期間のキャンピングトレーラー生活を考えているなら、商用車基準で設計された車が安心です。
荷物の積み方注意する
キャンピングトレーラーのフロントに荷物を載せすぎると、ヒッチ荷重が増加し、ヘッド車に大きな負担がかかります。一方で、リアに荷物を載せすぎるとスネーキング(蛇行現象)が起きやすくなり、走行の安定性を損ねてしまいます。
我が家では、このバランスを保つために、手間はかかりますが基本的にヘッド車側に荷物を積むようにしています。現地に到着してから荷物を入れ替えるのは少し面倒ですが、ヘッド車への負担を軽減するためには欠かせない工夫です。
安全な重量バランスの考え方
キャンピングトレーラーとヘッド車(牽引車)の重量バランスは、安全で安定した走行を行う上で非常に重要です。以下に、推奨される重量割合について説明します。
※詳細については、トレーラーの代理店などの公式サイトをご覧いただくことをお勧めします。
トレーラー重量の基準
- トレーラー重量は牽引能力の75~85%以内
ヘッド車の最大牽引能力に対し、トレーラーの重量が75~85%の範囲内であれば、安定性を確保しつつ無理なく牽引できます。
ヘッド車とトレーラーの重量バランス
- ヘッド車の車両重量 > トレーラーの総重量
トレーラーの総重量(車両重量+積載物)がヘッド車の重量を超えないことが重要です。ヘッド車がトレーラーより軽い場合、走行中に横揺れやジャックナイフ現象が発生するリスクが高まります。
<具体例(我が家の場合)>
ハイエース(ウェルキャブディーゼル4WD)の場合
- ヘッド車の重量:2,500kg
- 牽引可能重量:2,000kg
トレーラーの理想重量は1,500kg~1,700kg(75~85%)
PANDA DT521(1,400kg、エアコンなどの装備込み)は問題なし。牽引能力内で安全に運用可能です。
ギャランフォルティス スポーツバック ラリーアートの場合
- ヘッド車の重量:1,580kg
- 牽引可能重量:1,500kg
トレーラーの理想重量は1,125kg~1,275kg (75~85%)
ACE ONE 330ROOM(750kg以下)は問題なし。軽量トレーラーのため、安心して牽引できます。PANDAはちょっと無理がありますね。。
まとめ:ヘッド車選びを楽しんで!
ヘッド車選びは、キャンピングトレーラー生活を始めるうえで重要なステップです。もちろん理想を言えばラダーフレームの車が最適ですが、「今の愛車でどうやって楽しむか?」を考えるのも大事なこと。トレーラー牽引のために、すぐヘッド車を買い替えられる人は多くありませんよね。
私たちも大型トレーラーに乗り換えたことで、車のメンテナンスにより一層気を使うようになりました。どんな車を選んでも一長一短はありますが、自分たちの生活スタイルやトレーラーに合った車を見つければ、より快適な牽引ライフを楽しめるはずです。
そして、キャンピングトレーラー生活を楽しもうとしている人たちを、批判するのではなく応援したいものです。人生を楽しむ姿勢を持った人たちには、暖かいアドバイスを送りながら、共に素晴らしいアウトドアライフを作っていきましょう!
このブログが、皆さんのヘッド車選びの参考になれば嬉しいです!
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